バー恋 ~文字が色を放つ時~
 あたしはあまりにも残酷で、身勝手な事を考えていた。

 言ってしまえば自分は楽になる。

 でも、愛情を注いでいてくれている優作に、この現実を伝えるなんてあまりにも……残酷だ。


「はい、飲むだろ」

「ありがとう……」

 グラスに注がれたビールを一気に飲んだ。

「おいおい、大丈夫か?」

 苦笑しながら、継ぎ足してくれる。
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