バー恋 ~文字が色を放つ時~
 次の日の夜、会社を出て翔吾との待ち合わせの場所に向かう。

 北風が頬をさし、あたしは身体を丸めた。

 以前翔吾と一晩中過ごしたお店。静かにドアを開ける。


「いらっしゃいませ……」


 落ち着いたマスターの声に顔を向け軽く会釈した。
< 142 / 204 >

この作品をシェア

pagetop