バー恋 ~文字が色を放つ時~
「……どうしたの……」

 同じ言葉を繰り返すだけ。

 優作は何も言わずに、ただあたしを大切な宝物を扱うように包む。

 とても速い鼓動だけが鼓膜を叩く。





 あたしは悟った。

 優作は翔吾との事を知ったのだ……。

 凍りつく思いで優作の胸の中で身を潜める。
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