バー恋 ~文字が色を放つ時~
「桜、お湯沸いてるよ」

「あっ!」

 慌ててヤカンに手を伸ばす。

「キャッ!」

 意識が混濁していたのだろう。

 あたしはヤカンに手を触れた。

「大丈夫かっ!!」

 飛んできた優作は、あたしの手を掴み、水道をひねる。
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