バー恋 ~文字が色を放つ時~
 サングラスを取らない翔吾の瞳は哀しげなのだろうか。

 点けた煙草の煙が細く吐き出された。

 いつもと明らかに違うあたしの態度に気づいているのに言葉に出さない。

 アルコールだけが体内に吸収されていく。

 二人で居れば沈黙さえ心地良かったのに、今はどんな時間よりも長く感じた。
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