バー恋 ~文字が色を放つ時~
「……もう……逢うのやめるか……」

 そう切り出したのは翔吾だった。


「桜、辛そうだ。そんな顔させてるのは俺なんだよな」

「違うよ、翔吾のせいじゃない」

「違わねぇ……よ……」

 翔吾は苛立っている。それはあたしにではなく自分自身にだった。
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