バー恋 ~文字が色を放つ時~
翔吾とのささやかな「恋人同士」の関係は順調だった。

 学生だった時の話や、初恋の話など知らない翔吾の話が聞けるたび、翔吾を近くに感じる事が出来た。


【俺さ、何か久しぶりにマジで……トキメイテル……】

 翔吾もバーチャルな彼女に恋をしているのだろう。

 文字を交わしてるのはあたしなのだけど、翔吾の心の中にはきっと、翔吾理想の彼女が住んでいる。

 現実に、それはあたしじゃない事がわかっていても、そんな言葉が凄く嬉しかった。
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