バー恋 ~文字が色を放つ時~
『あっ……ごめんな、チャットルームに行けなくて』

 その声に溶けてしまいそうだ。

「そうだよ、どうしたの?」

 彼は仕事が忙しくなり、さらにPCの故障があったのだとあたしに告げた。

「そうだったのね」

『俺に逢いたかった?』
 
翔吾は悪戯っぽくそう聞いた。
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