真紅の空
☆
真っ赤なペンで大きく示された数字に、
みんなが驚く。
この3年1組の教室にいる全ての生徒が目を丸める中、
あたし、春日由紀だけは静かだった。
「春日、お前天才!?」
「さすがね、春日さん。羨ましいな~」
「勉強法教えて~。春日さん」
みんな口をそろえて“春日さん”。
もう煩くてしょうがない。
こんなの、ただの定期テストじゃない。
ただの日本史でしょ?
名前も知らない誰かの分析の、
有名どころだけをピックアップしたクイズ。
間違えようがないじゃない。
特別な勉強なんてしてないよ。
暗記よ、暗記。
それ以外になにかある?
数学や英語じゃあるまいし・・・。
黙って席に着くと先生は言った。
「春日。もう少し嬉しそうにしてもいいだろ。
学年唯一の全教科満点なんて―」
「先生。
無理して嬉しそうに、なんて出来ません」
教室内がしんと静まり返る。
先生は一つ咳払いをして目をそらした。
「ま、まぁいいけど、春日。
レポートは提出しろよ?」
気まずい雰囲気が流れる中、先生が教室を出ると、
みんなが一斉にあたしを見た。
真っ赤なペンで大きく示された数字に、
みんなが驚く。
この3年1組の教室にいる全ての生徒が目を丸める中、
あたし、春日由紀だけは静かだった。
「春日、お前天才!?」
「さすがね、春日さん。羨ましいな~」
「勉強法教えて~。春日さん」
みんな口をそろえて“春日さん”。
もう煩くてしょうがない。
こんなの、ただの定期テストじゃない。
ただの日本史でしょ?
名前も知らない誰かの分析の、
有名どころだけをピックアップしたクイズ。
間違えようがないじゃない。
特別な勉強なんてしてないよ。
暗記よ、暗記。
それ以外になにかある?
数学や英語じゃあるまいし・・・。
黙って席に着くと先生は言った。
「春日。もう少し嬉しそうにしてもいいだろ。
学年唯一の全教科満点なんて―」
「先生。
無理して嬉しそうに、なんて出来ません」
教室内がしんと静まり返る。
先生は一つ咳払いをして目をそらした。
「ま、まぁいいけど、春日。
レポートは提出しろよ?」
気まずい雰囲気が流れる中、先生が教室を出ると、
みんなが一斉にあたしを見た。