真紅の空


「よし・・・?」


「はいはい。ここにいますって。・・・誰だ?」


男に“芳”と呼ばれたのは、
少し背の高い男だった。


芳はあたしを見ると怪訝そうな顔をした。


「あなたこそ誰よ」


「俺か?俺は山本芳。こいつの側近ってやつさ」


芳はそう言ってにやにやすると、
男の頭を乱暴にぽんぽんと叩いた。


「おい、芳!やめろよって。子ども扱いすんな!!」


「18なんてまだまだ子供だろうに」


かっかっか、と高らかに笑う芳は、
話を聞くと30歳らしかった。


「18の子供の側近に30のおじさんって・・・。
 逆なんじゃないの?」


側近なんて言葉、そうそう使わないけれど、
意味くらいは知ってる。


つまり、付き従う人ってことでしょ?


絶対おかしいって。


「いや、逆じゃあねぇよ?俺はこいつの家臣さ」


「家臣!?」


「そ。まぁ、敬うつもりはねぇけどな」


「芳!!」


男が怒ったように怒鳴る。


あたしはふと、今さらだけど気付いた。


家臣?


側近?


何言ってるの?


この人たち、一体何者?



「ここ・・・どこなの・・・?」


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