真紅の空
突然出てきた言葉にびっくりする。
あたし、何言っちゃってんの!?
友達?
こんな着物着てるやつが?
どう考えても不自然な友達。
そんなあたしの言葉に、お兄ちゃんも
暁斉も驚いた顔をした。
「由紀・・・。お前やっぱ体調悪い?」
「友とはどういうことだ?お前、俺に向かって
そんな口を聞いても・・・っぐ・・?」
「ああーお兄ちゃん、後で説明するから出てって!!
着替えるから!」
突っ掛るように眉を顰めて反論した暁斉の口を
勢いよく手で塞ぐ。
お兄ちゃんは目を丸くして暁斉を指さした。
「え?でもそいつは・・・」
「いーからあっち行ってよ!お兄ちゃんの変態!!」
「へんた・・・はいはい。わかりました。
すぐ下りてきてちゃんと説明しろよ?」
お兄ちゃんが少し傷付いたように肩を落とす。
そりゃそうだよね。
ごめん。お兄ちゃん。
変態なんてお兄ちゃんにとって一番ダメージのある
言葉だったね・・。
お兄ちゃんが出て行って2人きりになる。
あたしは階段をおりていくお兄ちゃんの足音を
聞きながら、扉をじっと見つめていた。
途端に暁斉の大きな手があたしの手首を掴んだ。