真紅の空


ご飯を終えて、あたしと仁、そして暁斉は、
一旦あたしの部屋へと移動した。


扉を閉めて、3人で向かい合う。


最初に沈黙を破ったのは仁だった。


「で、由紀。こいつ誰なん?」


「ごめん、仁・・・」


あたしは咄嗟に謝った。


仁の顔は、怒ってるわけでもなく、
かといって快く思っているわけでもなさそうな、


そんな微妙な表情をしていた。


「や、なんで謝んだよ。
 ・・・もしかして、そいつ・・・」


「え・・・?」


「いや、何でもない・・・うん」


仁の顔を見つめるあたし。


今、なんていおうとしたんだろう。


なんか一瞬、珍しく悲しそうな顔をしたような・・・。


そう思っていると、今度は暁斉が口を開いた。



「おい。じん、と言ったな?お前こそ誰だ」


「ちょ、ちょっと!失礼でしょ!?」


暁斉のぶっきらぼうで上から目線の物言いに、
あたしが怒ると、仁が小さく笑った。


「あはは。いいよ、由紀。
 ずいぶんカッコいい人だな。
 俺は結城仁。由紀の彼氏」


「仁・・・」


さらっと発せられた“彼氏”の言葉。


さり気なくそう言えるところがかっこいいんだよね。


暁斉が眉を顰めて仁を見た。


「結城・・・?」


「ああ。そうだよ。よろしく。
 で、暁?だっけ。由紀の友達?」


仁が暁斉に笑いかけると、
暁斉が口を開いた。


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