真紅の空
「かれし・・・とは何なんだ?
それに俺は、こいつの友ではない」
「ちょっと、あきな・・・・っ暁!!」
「何って・・・。彼氏は彼氏だろー?
友達じゃないならなんでここにいるんだよ」
仁がにこやかに対応すると、暁斉がじっと睨みつけた。
「知らん。
俺だって理解できない。そうだ、由紀。
早く俺を元に戻せ!!」
「はぁ?あたしだって知らないわよ!!」
あたしと暁斉が言い合いを始めると、
仁が間に入ってとめた。
「ちょっと待て。由紀。どうした?
お前、こんな友達いなかったじゃん。
なんかあったのか?」
「仁・・・。これは・・・その・・・」
仁に言ってしまおうか。
でも、何て?
タイムスリップした先の時代の人ですって?
それで今は逆にタイムスリップしてきましたって?
そんなこと、言えないじゃない。
信じてもらえるはずないよ。
じゃあ、どうやって説明する?
あたしが考えていると、暁斉が立ち上がった。
「おい、いつまで隠せば気がすむんだ?」
「え・・・」
「は?」
暁斉は困惑した表情を浮かべる仁を見下ろして、
腰にある刀を取り出した。
「な・・っ!?お前・・・」
「暁斉!!」
キラリと光る剣先が、仁の目の前にのびた。