真紅の空
ちょっと待って。
双子??
あいつの双子の・・・お兄さん!?
嘘でしょ。
なんで??
そう言われてみれば似てるんだよね。
誰かに似てるって思ってたけど、
まさかあいつと双子なんて・・・。
じゃあ
じゃあどうして則暁くんは・・・・。
「なんであいつの下について・・・」
「貴女はやはり、異国の地の姫。
ここの風習、習わしを知らないのですね?」
「え?」
則暁くんが静かに落とした言葉に、あたしは首をかしげた。
風習って?
だって次期当主を次ぐのだって、
部下を従えるのだって、
そんなの普通、長男でしょ。
それを次男がやるってどうなの?
本当に理解できないことばっかり。
あたしが黙っていると、則暁くんは・・・
ううん。
今ここで喋っているのは則暁くんじゃない。
春仁・・・くんだ・・・。
“くん”?
くんっていうのも違う気がする。
じゃあ、“さん”?
“春仁さん”が静かに口を開いた。
「双子というものは、この世にあってはならないもの」
「え・・・」
「双子が生れ落ちれば、どちらかが間引かれるべし」
「ま、間引くって・・・」
「つまりは、“死”が待っているということです」