痛い。
二人とも黙ったまま。

優貴の返事はまだない。



怖い。


すごく、怖い。


止めて…


嫌…


優貴……!



「…ああ、いいよ」





目の前が、真っ暗になった。



私はその場に座り込んだ。



あいの喜びに満ちたような声が少し聞こえたが、もう、何も聞こえない。



私はしばらくその場でボーっとしていると、涙が頬を伝っていった。



遠くを見るようにして、声を出さずに泣いていた。



今はそれも他人事のように思えた。



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