儚空--クライソラ--【完】

甘い罠【仁Side*】


俺はいつも通り朝、起きる。

パンを食べて、服を着て、歯を磨いて、髪を整え、家を出た。

………………………………

今日は期末テスト2日目だった。


今日の科目は自分でも驚くくらいに解けた。



今回は学年1位かな?


期待で胸を弾ませた。



俺は廊下に貼ってある中間テストの結果を見る。



ちゃんと書いてあるぞ。




2位:赤坂仁



でも、1位じゃなきゃ意味がない。
つくづく、そう思う。



「 仁っ! 」


鳴海が俺の元へ走る。


「どうした?鳴海。 」


「 今日、夢のお見舞い行く?」
鳴海は笑顔で喋りかけてきた。



「 おう!あったりまえだろっ。」



「 よかったぁ…。
ねぇ、今日うちに昼ごはん食べに来ない⁇それで、夢の病院一緒にいこっ!」


俺たちは幼馴染だから、それくらいは当たり前。どうせ、家には鳴海の兄さんたちがいて、二人きりになることは100%ない。



「おぅ。いいけど。 」


「じゃあ、うち来て。 」
そういって鳴海は走り去って行く。


鳴海…顔は可愛いんだけどなぁ…
どうしても、性格は好きになれない。



夢が一番だからかな?


そんなことを考えながら俺は、信と一緒に家へ帰る。

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