儚空--クライソラ--【完】
「 ぎゃあ! 」鳴海が、鳴海らしくないうめき声を上げる。
「 どうした?鳴海?」
俺は頭を動かす。ようやく分かった。
俺の顔が、鳴海の胸に当たってたんだ、と。
照れてしまうのが分かる。
俺は夢の胸でさえ、飛び込んだことがない。
「馬鹿っ! 」
そういって、鳴海は起き上がり俺の顔を叩く。
ものすごく痛かった。
怪力女、の三文字が思い浮かぶ。
いってぇよ…。
プリンは皿から出て、ぐしゃぐしゃになっていた。
ああー。俺のプリンが!
まあ、プリンなんていつでも食べられるか!