儚空--クライソラ--【完】
「 あのね。仁…。 」
「ん?どした? 」
「 話したいことがあるの。 」
夢は俯いてたから、俺は一瞬嫌なことが頭によぎる。
まさか…な。
気のせいだよな…。
「 おう。話してくれ。 」
笑顔を貫いた。
心臓が高鳴る。
ドクンドクンって…
波打つように早いんだ。
「 仁。
別れよう。」
…今聞いたこと、気のせいだよな。
「 え? 」
「 別れよう。 」
夢が泣きそうに俺を見る。
どういうことだ?