儚空--クライソラ--【完】


「 仁…。私、いつかなんて日が来なくても…仁と付き合った日々、 絶対に後悔しないよ?好きでいてくれてありがとう。」



夢が精一杯の笑顔を見せる。


俺も目を閉じて、ゆっくり笑う。

初めて俺たちがあった日の見たいに、


心から笑う。



なあ、夢。あの日のこと、覚えてるか?


あの時、俺、初めて英語できて良かったって思ったんだぜ?



夢、好きでいてくれてありがとな。



「 俺も、絶対に後悔なんてしねーから。またいつか夢の彼氏に戻るから。
じゃあな。」



俺は足早に病室をでた、鳴海が俺のことを止めようとしたけど振り払った。



頬に伝う涙を堪えることなんて出来なくて、男子便所で泣いた。



ここなら、夢に見られなくて済むからな。




男子便所の小窓から見える空を見上げた。




いつのまにか、赤い夕焼け空。




時間って経つの早いな。



夢と過ごした時間はあっというまだった。









夢、さようなら。









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