儚空--クライソラ--【完】



どうやった死ねるのかなぁ?


一番に目に入ったのは、点滴の道具。


たくさんの、点滴の道具。



これを全て外せば…どうなるかな?




私は一つ一つを丁寧に外した。






でも、これだけじゃ死なないか…。





私は、病室を脱け出した。





屋上に上る。


屋上は開いているけど、厳重なフェンス見たいのがある。





でも。もともと運動神経のいい私なら大丈夫かな。




私は近くに落ちていた石灰石みたいな石を手に取る。




昔、ロサンゼルスに居るとき、
外は危険だからって
近所にしか出してもらえなかった。


お父さんがいないとき、よく家を飛び出してた。


だから、お父さんの研究室の壁に、お父さんの仕事で使った石灰石で絵を描いた。


澪もあの頃は無邪気に笑って絵を描いたんだ。





懐かしいな。





あの頃に戻りたいな。







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