儚空--クライソラ--【完】
私は歩こうとした。
立った瞬間、右足に激痛が走る。
言葉にでないくらい痛くて…
思わず座り込む。
「 歩けるか?」
鮎川くんは私を見ながら聞く。
私は首を横に振った。
痛さと自分の馬鹿さに呆れて
思わず涙が溢れ出る。
突然頭が温かくなった。
鮎川くんが頭をなでてた。
びっくりしたけど、鮎川くんの優しそうな顔が近くにあって…
心が安定していく。
そして
「 先生呼ぶか? 」と私に聞く。
「 うん 」というと、
私は自分の携帯を見る。
とりあえず、仁に来てもらおう。
仁にLINEを送る。
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じんー!ヘルプー!
足怪我しちゃった笑笑
やばいから電話して。
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仁。お願い…はやくきて。
痛みは身体中にしみていた。