儚空--クライソラ--【完】
「お前、なんで簡単に死のうとした? 」
先生は、寂しい顔をしてた
戸惑いながらも応える
「 だから…それは…仁と。」
「俺の娘の話しただろ?
娘は生きたくても、生きられなかったって…。
お前、言ったよな。
死なないって。どうゆうことだよ 」
「でも、私には…。 」
「 世の中にはもっと辛いことで悩んでる人がたくさんいるんだぞ。
お前は…こんなことで死のうとして、情けなくないのか? 」
空は青いな。
私の気持ちと同じ色。
先生…。
それは違うよ。
「 先生。
先生は…そんなことぐらいって思うかもしれませんよね…
でも、もう私の心には耐えられなかった。
仁も、自分で手放したのに…
こんなにも後悔してる。
私の心は張り裂けそうで、辛くて。苦しくて。
誰かに分かってほしかった。
誰かに聞いて欲しかった。
誰かに必要とされたかったのに。
それを伝えられなかった。」