儚空--クライソラ--【完】
ありのままを伝えた。
私の言いたい事を。
「 だからといってなんで簡単に死のうとするんだ?
お前のこと必要としてる人だっているんだぞ? 」
「 じゃあ、誰よ。
誰が私を必要としてるの。
みんな、口だけでなら簡単に言える。
でも、私だけを必要としてくれる人なんて…この世には存在しないよ…。 」
言わせないでよ。先生。
自分で言うのも辛いんだよ…?
「 いるだろ?
お前の母さん。ずっと付きっ切りで看病してた。
お前の弟たち。なんだかんだ言って「 姉ちゃんとゲームしたい 」って言ったり。「 おねえちゃーん」ってずっと病室に居たんだ。
嘉藤と小坂…見舞いに来てたぞ。
お前が自殺しようとしたの聞いて、泣いてたぞ。
それに、俺とみかちゃんは?
お前にまた笑って欲しいから、
何度も看病に来たぞ。
お前が眠っていた2日間
お前を支えてくれてた奴ら。
そいつら全員お前の味方だぞ。
全員、お前を必要としてる。」
私はただ空を見つめた。