儚空--クライソラ--【完】
私は坂道をくだる。


自転車はやめて、今日は歩いて学校に行くんだ。



坂の上にある私の家から、南高校までの一本道。



いつも下っていた坂道。


何の変哲もない坂道だった。。


道端には、石がゴロゴロ落ちていて、端は舗装されていないから草がボーボーに生えている。



今までの同じ道なのに、違う道に見えるのはなんでだろう……?




分かれ道の近くにある公園。


風で揺れる草花。

ブランコが静かに揺れている。


こんなところにも公園があったんだね。



軽くブランコに乗って、足を動かす。


時計の針は7時50分。



私は慌てて坂道を走る。



見えるのは、港町。



おじさんたちが一生懸命に働いている。

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