儚空--クライソラ--【完】
なる
私が最後に学校に来たのはいつだろう?
キャンプより前の日。
4月か、5月かな。
今はもう7月…。
暑い夏。
太陽が眩しく輝いてる。
キャンプのときも太陽が近くにいた。
これからも私は太陽と一緒なのかな?
でも、よーく考えたら冬はお日様が出ないから、一番私の近くにいるのは空。
ああ、懐かしい。
儚空。
私は空のことをそう呼んでいる。
同じ空はきっと、ないから。
辛いとき、そばにいた空。
私の泣き顏も。笑顔も。
どんな涙の理由も知っている空は
この世で一番私を知っている。
儚空。
全てを知っているあなたなら、私の今の涙の理由を知っていますか?
私が今泣いているのは
みんなに一時的に退院したのを祝ってもらえたから。
大好きだった仁が私に昔と変わらない笑顔を見せてくれたから。
そして、
かつて親友と呼んだ、なるがいなかったから。
学校を休んでるのか、ただ遅れているだけなのかはわからない。
でも、なんでかわかんないけど
とてもとても不安なんだ。