儚空--クライソラ--【完】
私たちは数え年が一緒で、家も近くでよく遊んだ。
「 なあ、ゆめ! 」
ある日のじゅんの家で。
「 なに?じゅん。」
「 俺さぁ、名前変えたいんだ!」
飛行機のプラモデルを作りながら、
じゅんは言った。
「 じゅん、無理だよー! 」
私が笑うと、じゅんは頬を膨らませた。
「知ってるよ!さすがに。
だから、俺たちで名前つくんね?」
私の人形を動かす手がピタリと止まる。
「 どういうこと?」
「 普通にー!
ニックネームってやつだよ 」
「 わぁ、なにそれ、かっこいい!
ゆめもやるー!」
遊ばれてたプラモデルと人形を下に投げ、白い紙と鉛筆を取り出す。