儚空--クライソラ--【完】
「 俺は、ジョンって名前がいいんだ! じゅんだから、一文字変えてジョン!どうだ?かっこいいだろ?」


じゅんは青色の鉛筆で、

Johnと丁寧に書いた。



「え〜っとぉ、夢は… 」



私が頭を悩ませていると、じゅんが




「ゆめは、ドリームでいいだろ 」


なんて言うもんだから


「ちがうー 」と机をたたく。



「 そうだ、キャサリンは?」

私は思いついた感じがしてペンでキャサリンと書く。



キャサリン…


じゅんの家のTVでやっていたドラマの主人公がキャサリンだった。




その主人公があまりにも美人だったから、名前を借りて……。




「 いいじゃん!
じゃあ、俺はジョン。
ゆめはキャサリンな?」



赤鉛筆で丁寧にCatherineと書いた。



「 了解!」







ばか…なんで忘れてたの?



こんなに鮎川くんと仲良かったんだ。



でも、鮎川の下の名前まで忘れてた。





私は最低だ。




しみじみそう感じた。









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