儚空--クライソラ--【完】
手足がすくんだ。




涙もでてこないくらいに震えた。




「そう、なんだ。 」




そう、いうのがやっとだった。




行かないで。行かないで。



心の中で引き止めた。





声に出したら、本当に行ってしまいそうで怖い。




私の中でじゅんは必要不可欠で消えたら、私まで消えてしまいそうだ。






風と一緒に心が揺れる。





じゅんは涙を流した。






「俺、引っ越したくねぇよ。
夢と一緒にいたい。
お前から離れるなんて考えられねぇ。 」





「私もだよ、じゅん。 」




恋人みたいな会話だけど、私たちは所詮ただの友達。




「 なぁ。 」



「 ん? 」



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