儚空--クライソラ--【完】
「 俺、絶対迎えにいくから。
彼氏とかつくんなよ!」
「 わかってるよ、じゅん。 」
「 本当だな。約束破るなよ? 」
「 わかってるってー!」
私たちは歩き出した。
手と手が合った。
じゅんは私の手を握った。
私も返すようにして、手を握る。
それから何も言わずにあるくと、
海に着いた。
「 わぁ…! 」
眩しい夕日が海を明るく照らしていた。
真っ赤な夕日と真っ青な海。
この美しさをどう表すことができるのだろう。
じゅんは私のおでこにそっとキスした。
ねぇ、じゅん。
私がみたこの景色、忘れないよ。
この夏の日の思い出は、
きっと心の奥に輝くはず。
そして、数週間後
じゅんは旅立った。
日本に。