儚空--クライソラ--【完】
夏休み。
そんな言葉を聞いたのは、家で零が叫んでたから。
まだまだ子供だなぁ…。
「 夏休みかぁ…。 」
夏休みを確かめるようにして口に出して見たんだけど、
イマイチ実感がない。
ああ。もう夏なんだ。
家の庭から、咲きかけのひまわりが見えた。
笑ってる。
太陽の光を浴びて、
笑ってるように私は感じた。
去年の夏休みは、なると遊んだ。
プールに行ったり海に行ったり。
受験ってことを忘れて、たくさん遊んだんだ。
でも、今年は遊べない。
私は白血病だから。
長い間忘れてたけど、
私は確かに病気で
何もしていなくても
確かに身体は蝕まれてっているんだ。