儚空--クライソラ--【完】
願い【なるSide*】
「明日から、夏休みなんだなぁ。」
そう実感するのは一苦労する。
なぜなら、
あたしは学校に行っていないから。
6月の30日───。
あたしは学校に行くのをやめた。
大好きな人に振られて、
大好きな友達を裏切った。
大好きな人たちを騙したんだ。
なんて最低なことをしたんだろう。
なんで自分からわざわざ失ったんだろう。
夢に、謝ったら許してもらえるかなぁ…?
うんうん…。
許してくれるはずがない。
あたしは、最低な人間。
これから、その肩書きを背負って生きていくしかないのかも。
それなのに、ドアを開けた瞬間、驚いた。
そこには、汗だらけの夢がいた。
家に招き入れた。
あたしは不安になった。
何を話せばいいの?
空は黒い雲が数え切れないくらいに太陽を覆っていたんだ。