儚空--クライソラ--【完】
1章
”かわいいものが好き”
そんな私にお母さんが15の誕生日に買ってくれたピンクとシルバーの自転車。
ダサいかもしれないけど、
周りはみんな”可愛い”と言ってくれる
まあ、自分でも子供かなぁってよく思うけど、気にしてたらきりがないはず。
その自慢の自転車で一気に坂道を下る。
坂道を下る途中は港町の景色が見渡せる
青い海。
たくさん生い茂っている雑木林。
風に揺れて笑っているみたい。
そして、私の通う南高校。
南高校に入学して、
もうすぐ一ヶ月が過ぎるところだった。
この景色も、もう当たり前になった。