儚空--クライソラ--【完】
6章
地固め療法
朝の9時。
私はなるの家から出て、一旦家にかえり、病院に行く。
母さんと遥と私は、母さんの車に乗って20分ほどの総合病院へ向かった
久しぶりの奈津子先生…
いつも通り、綺麗だった。
「 夢ちゃん、久しぶりね。退院生活長かったけど楽しかった?」
「 はい!久しぶりの学校は楽しかったです。 」
嘘をついた。
学校は楽しくなかった。
それはまだなると喧嘩していたころだったからかな…。
「じゃあ、座って? 」
私と母さんは椅子に座る。
奈津子先生の手元には相変わらずの分厚い紙があった。
「 今から、これからの治療方針などについて話して行きたいと思います。これからは、地固め療法というステップに入っていきます。 」
地固め療法…か。
何やら、私は目指していた寛解状態になったらしい。
寛解状態のままでは、将来再発する可能性が高く、地固め療法という強力な治療をして、再発しないようにするみたい。
また、抗がん剤かぁ…