儚空--クライソラ--【完】
「 いちかちゃん、はじめまして。
私は夢っていうの。高校1年生ね。」
「 はじめまして。いちかです!
いちかは中学1年生です。 」
大人しめの感じの女の子かと思ってたけど、はっきりと元気に喋る子で
私はすぐに、いちかちゃんに慣れた。
「 いちかちゃん、まだ12歳なんだ。どうりで小さいと思った。あ、敬語じゃなくていいよ。隣の仲なんだから。 」
「 うん、えっと、じゃあタメ口で。ちなみに身長はぴったし146cmだよ!あ、いちかのこと、いちかって呼んで!」
「 了解。私のことは、夢でいいよ。 」
「夢…夢お姉ちゃん!!
夢お姉ちゃんって、よんでいい? 」
「 いちかがそれがいいなら、それでいいけど。」
いちかは私と同じ急性骨髄性白血病だった。隣町の中学生。
146で、165の私に比べると、まだ小さくて、妹のいない私はいちかを妹みたいに可愛がった。