儚空--クライソラ--【完】
「あのさぁ…… 」
「 なぁに?仁。」
「 鮎川とうまくいってんの…?」
心臓が高鳴った。
私は、仁との沈黙が怖かった……
なんて言えばいいんだろう。
「 ごめんな…急に変なこと聞いて
今の言葉、忘れてくれ。」
仁の悲しい顔。
”聞かなければよかった”
そう思ったのが顔に出てるよ…
私のせいで、仁が悲しい顔してほしくない。
「 うまく…いってるのかな…?」
病院の小窓から、今日も儚い空を見つめた