儚空--クライソラ--【完】
「 余計なお世話かもしれねぇけど、俺には…上手くいってないように見える。だって、鮎川全然病院きてないじゃん。違うか?」
違うくなんかない。
仁が見ているそれが現実。
「 そう…だよ。上手くいってるかどうかなんてわかんないけど……。 」
仁は私の手を握る。
「 夢が鮎川といて幸せならいい。けど、夢のこと、全然大切にしてねぇじゃん。
こんなこと…いいたくないけど…
けど…っ。
なぁ、夢
俺じゃダメかな? 」