儚空--クライソラ--【完】





屋外庭園にはたくさんの人がいるから、きっと、じゅんの涙は隠される。


そう思った。




ピンクの花、ひまわり…


たくさんの花に囲まれると、やっぱり元気が出る。




白い丸い木製のテーブルに車椅子を固定し、2人は白い椅子に座った。




そのころには、だいぶじゅんも落ちついていて、ここに来てよかった。



私は心底そう思ったよ。




「 話して、いいか?

話したら、楽になるかもしれねぇから。悪いな。」






金髪の髪は風に揺られた。




その険しい横顔と金髪が重なり、
私は息を飲んだ。


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