儚空--クライソラ--【完】
8章
鳴海と仁
2…
「ゆーめー!! 」
その声で私たちはパッと顔をあげた。
長い黒髪。
大きな瞳。
長い足…
「なる! 」
なるは私の頭にポンポン手を乗せると
最高の笑顔で私を抱きしめる
「 久しぶりだね、夢。 」
「うん!…あ、そのワンピースかわいい!!いいな〜 」
「ほんと〜!?
陸臣がかってくれたの!!お兄さいこーっ!! 」
ふと、隣の仁を見ると、気まずそうな顔で下を向いてる。
手をくねくねさせて、私に背を向ける。
まだ、気まずいんだね…
なるは仁が好きだった。
それを知ってしまった仁は、なるになんて話かければいいのかわかんないのだと思う。
空気が悪いなぁ…