儚空--クライソラ--【完】
「 じーんー!! 」
大きな声でなるは叫んだ。
あまりにも大きすきで、背筋がぞくりとした。
「 な、なんだよ、鳴海。 」
2人の距離は6mほど。
その距離をなるは全力疾走した。
仁もだけど、私も目が飛び出そうなくらいにびっくりした。
一体何をするんだろうか…。
そして、勢いよく仁の手をつかむ。
「 あたしのこと、叩いて!!」
そういって、仁の大きな手のひらを動かし、なるは自分の頬を叩いた。
えええええええええええ
と思わず、心の中で叫んでしまう。
全力でぶつかる…の意味を捉え違ってるんじゃないのかなぁ。
2人から目が離せないよ…