儚空--クライソラ--【完】
手の筋肉が落ちているのか、文字を書いても薄くて見えない。
仕方なく、両手で書く。
ずれて、ぐしゃぐしゃな字かもしれない。
でも、一生懸命書いた。
「なんて書いたんだ? 」
仁が紙を除きこむ…
「 儚い空… 」
私の書いた文字は
儚空
「なんて読むの、これ? 」
そう言われて気づいた。
「 私、なんて呼んでたっけ? 」
「 はぁ…馬鹿だな。夢は。
一緒に考えような。 」
一緒に携帯で調べた。
一回一回笑顔になる仁が可愛くて、
その笑顔がますます好きになったよ