儚空--クライソラ--【完】
2人で長い道を歩いた。
夜の6時を過ぎて…外は暗い。
そして、夏だけど…少し肌寒かった。
私、
なんでこんな服着てきたんだろ…。
ノースリーブのピンクのシャツに淡い紺のミニスカート。
真夏の格好じゃん…
「 夢…寒いよな。」
そういって、私の肩にそっとパーカーを被せた。
「 ありがと。」
「 うん」
仁のこういう優しさ…
好きだよ。
今と何にも変わってなかったね。
着いたのは公園。
さっきの子供たちは家に帰ったのか、ものすごく静かだった。
彼がブランコに乗ったから、私も隣のブランコに乗った。
カーカー
カラスの声は虚しく響く。