儚空--クライソラ--【完】


「ありがと… 」


私を見て、彼は笑った。



私はポケットから小銭を出して、少し離れた自販機で温かいココアを買った。



「 仁、飲む?」




「 飲む!」



私はお金を入れ、缶を取り出す。





「 はい!」


彼は温かいココアを握りしめ、温まっていた。
もう、夏が終わるのか…早いなぁ。



「ありがと。 」



一口飲むと、甘い香りが広がる。




おいしい…




「 話、続けるな? 」




「はーい! 」












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