儚空--クライソラ--【完】
寝て、元気になる。
元気になったら、また鶴を折る。
鶴を折って、元気にさせる。
元気になってね、いちか。
鶴を折り続ける彼を、遠目で見ながら…私は眠りについていく。
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「夢お姉ちゃん! 」
どこからか聞こえるいちかの声。
「いちか! 」
辺りは草原で、綺麗な花が咲いている。
そこに、埋れていちかが寝そべっている。
「 夢お姉ちゃん!あそこ、行ってみない? 」
そこには綺麗な川が広がっている。
「 ダメだよ、危ないじゃん 」
「え〜?
いちかは行きたいもん。」
わがままをいういちかの手をつかむ。
「だめだって…。 」
「 いいじゃん! 」
いちかはその手を振り払い、どこか遠くへ行く。
いちかの足は…川に向かっていた。
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