儚空--クライソラ--【完】

だが、突然床に血が流れ出る。
私は手を鼻に当てる。


「鼻血だ。 」


「あらまぁ、上向いててね。 」
先生はティッシュをくれた。



さっき、白血病の症状を調べた。

あざ、鼻血、立ちくらみ、気持ち悪さ…

全て見当する。


もしかして…。


本当に…?




ティッシュで鼻を押さえると、
私は泣きそうになる。


「 先生っ。せん…せぇっ…。」




ねぇ、私、病院に行きたくないよ?

嫌だよ、分かってるもん。

病気なんでしょ?




白血病なんでしょ?



怖い。怖い。



涙が溢れ落ちる。



鼻血が収まっても、涙は溢れ出た。



その涙は


この雨よりも
遙かに

多く
大きく
早かった。


雨よ。止んで?

雨がやめば、
この涙も収まるような気がするの。


神様。





お願い












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