儚空--クライソラ--【完】
私たちが乗り越えてきた壁は大きかった。

──どんな時も。




仁、たくさん迷惑かけたね。
あの時はごめんね。

でも、たくさん迷惑かけられた。


そんなことも、全て良い思い出。



白血病になったとき。

別れを告げたとき。

仁となるの問題のとき。

仁のことを忘れたとき。

じゅんの過去を聞いたとき。

いちかが儚空になったとき。



全部、悲しい思い出。


でも、このとき頭の中で仁のことを考えてたの。


どんな時も、仁がいたよ。


そして、どんなときも
儚空が見守ってくれたんだ。




私の涙、私のきもち…きっと全てをわかってくれる空。



儚空、ありがとう。

何度言っても、きっと伝わんないね。







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