儚空--クライソラ--【完】
優奈の肩を触ると、冷え切っていた。
手も冷たくて、まるで保冷剤を触っているようだった。
まだ11月だったのに。
あの時は──。
俺、優奈を優先していたはずなのに、
優奈さえ大切に出来なかった。
優奈はきっと、無理して笑ってたんだ。
俺たち家族の悲しむ顔を見たくないから
本当に、本当にいい娘だったんだ。
その日、優奈は────
わずか6歳という若さで、
天国へと旅立った。
まだたった6年しか
この世にはいなかったのに。
手も冷たくて、まるで保冷剤を触っているようだった。
まだ11月だったのに。
あの時は──。
俺、優奈を優先していたはずなのに、
優奈さえ大切に出来なかった。
優奈はきっと、無理して笑ってたんだ。
俺たち家族の悲しむ顔を見たくないから
本当に、本当にいい娘だったんだ。
その日、優奈は────
わずか6歳という若さで、
天国へと旅立った。
まだたった6年しか
この世にはいなかったのに。