儚空--クライソラ--【完】
私はオレンジジュースを口にする。
オレンジジュースは飲めた。
美味しい、と感じれる。
「卵焼き、食べれるか? 」
私は卵焼きを口にするが、
食べられない。
うまく飲み込めない。
喉に詰まって吐いてしまう。
「固形物が食べられないんの。
ねぇ。先生…。どうしよう。 」
内心パニックだった。
不安な私とは違って、先生は冷静だ。
「大丈夫。 一回落ちつけ。 」
先生に背中を撫でられる。
私は冷静になろうとしてる
落ちついて、私。
大丈夫だよ、私。
「落ち着いたよ。先生。 」
「 よし!じゃあ、
プリンをたべてみよう。」
プリンをスプーンでぐしゃぐしゃにして
すこしずつ口に入れる。
水で流しながら────。
「 何とか食べれる。 」
「 そうか。じゃあ、味噌汁とプリンとオレンジジュースを飲め。
後から、病院で聞こう。」
私は先生に言われた通り、食べれる物だけ食べた。