儚空--クライソラ--【完】
「 だって…人って裏切るじゃんよ。
仁は裏切る気持ち無くても、形は裏切ってるってこともあるんだよ…?
だから、仁の気持ちは嬉しいけど… 」



「 じゃあ。逆に聞くけどさ
俺が夢を裏切ったことなんかあったか?俺は夢が全てなんだ。だから、裏切らない。夢を愛してるから。絶対に。」



仁はずっと私に一途だった。
自分でもわかる。恥ずかしいくらいに


私も同じくらいに仁が好きになっていって…。



「 支えてもらえなくても、別にいいけど?支えられたら、逆に気を使うよ。
仁の前だと可愛くいたいから。
そう思って、無理しちゃうんだよ…。」



「気なんか使わんでいい。
可愛くなくても、俺の中では充分可愛い。だから、大丈夫。 」



「 でも、薬の影響で髪は痛むんだよ。
髪なくなって。肌荒れて。
もしかしたら、薬のせいで仁のこと傷つけてしまうかも知れない。」


「それでもいい。夢がいい。 」

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