儚空--クライソラ--【完】
「仁はそう言ってくれてるけど、仁にはもっと可愛い女の子が似合ってると思う。可愛い女の子といた方が…きっと幸せだよ? だから……!」
「 何だよ。ソレ…。
俺の幸せは俺自身で決めるんだ。
誰にも決めさせない。勿論、夢にも。
自分で幸せを決めて、自分で幸せの限界を決める。
それでいいんだ。
誰が何と言おうと……
いや、この世界中の全ての人が、夢といるなって言っても俺は夢といる。
……夢が好きだから。 」
私は仁の言葉に泣きそうになる。
でも、泣かないって決めたから。
唇噛みしめる姿をみて、仁はいった。
「 今日で最後にすればいいじゃん。
今日くらい、泣いていいんじゃない?
前向きに進むのも大切だけど、
たまには考えようよ。
たまには振り返ろうよ… な?」
私はその言葉を受けて、泣いた。
思いっきり泣いた。
仁の胸の中で。