儚空--クライソラ--【完】
最初は国語だった。


アメリカ育ちで、国語に関する知識は小学校卒業Levelの私にとっては地獄だった。



そんな時、隣の赤坂君が私の腕を掴んだ。

私は赤坂君に笑顔を向ける。


彼は、ルーズリーフにサラサラと何かを書き出した。



「 Do you dislike national language?"
I lived in the United States
at 5-year-old time.
Therefore I can speak English a little. 」


意味は、


君は国語が嫌いか?
俺は5歳までアメリカに住んでた。
だから、少しなら英語が話せる。




そして彼は「 何かあったら俺に言ってくれ。 」と笑った。




今思えば─────






これがひとめぼれってやつだったんだね。



アメリカにいるとき、経験した恋愛とはちょっと違って久しぶりな恋。


だから、私には知る由もなかったけど。

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